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教育の負荷が医師疲労の一因◆Vol.6

スペシャル企画 2012年4月20日 (金)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

河野 医学教育改革にはやはり教官が必要なのです。徹底的な診療参加型の臨床実習をやるために必要な教官数を試算したことがありますが、やはり足りない。 日本の教官数は大体、米国の3分の1。特に国立大学では2004年から定員削減が進められています。一方、医学部定員は増えている。国は「人件費削減で、定員削減ではない」と言っていますが、定員削減が一番やりやすい。だから、大学本部は定員削減の方針を出しているので、医学部も定員削減のあおりを食う。千葉大でも、医学部は比較的優遇されていますが、それでもあおりを受けている。千葉大では、助教以上だけではなく、大学院生から全部が教育に当たっています。大学院生も主治医になっているので、診療参加型になれば、当然教育にかかわってくるからです。それでも不足。大学が疲弊している一つの理由が、教育の負担が増えているためで、教員数を何とかしなければいけない。 議論は、医学部定員の話にとどまらず、医療提供体制、医学教育など、多岐にわたった。 矢崎 そうですよね。 河野 これだけ教育の負担が増えると、現場の医師たちは診療に集中できない。だから、同じ診療をやるのだったら、大学以外...