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後期研修医、いまだ大学に戻らず

レポート 2012年4月19日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

全国医学部長病院長会議の「地域医療に関する専門委員会」の調査によると、2011年4月末の時点で、臨床研修修了者(卒後3年目)が大学に所属する「帰学率」は52.9%であることが明らかになった。4月19日の同会議の定例記者会見で報告された。卒後臨床研修の必修前の2002年4月は71.4%だったが、2004年の臨床研修の必修化後の一期生が3年目に入る2006年4月では、50.6%に減少。以降、2009年には58.7%と6割近くになった時期があるものの、50%台で推移して増加が見られない。 臨床研修でも、必修化前は約7割が大学だったが、2004年の必修化以降、5割前後に減少している(『過去最低を更新、大学での研修者、2011年度マッチング最終結果』を参照)。いったん大学を離れた若手医師が大学になかなか戻らない実態が伺える。 全国医学部長病院長会議会長の森山寛氏は、「帰学率」が低い状態は、医師のキャリアパスにも影響する懸念があるとした。 調査は、全国の80の医学部・医科大学のうち、防衛医科大学、自治医科大学、産業医科大学の3大学を対象に実施。例えば、A大学の2009年3月の国家試験合格者(既卒者...