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「新設で地域医療崩壊」との論は誤り- 目黒泰一郎・仙台厚生病院理事長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2012年5月15日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先生方は、附属病院については、地域の総合病院と連携する構想をお持ちでした。その辺りの検討は進んでいるのでしょうか。 今は、あえてその部分は「空白にしておく」必要があると思っています。今後、「臨床実習協力病院になりたい」という動きが出てくることが予想されるからです。こうした声が上がってくるのを待つ方が、いいと考えています。 ただ、東北地方で何らかの理由で確保できないという事態も想定して、西日本のある病院を協力病院として既に確保しています。 ――なぜ西日本の病院なのでしょうか。 もともと、臨床教育の核となる附属病院については、周辺地域の医療環境に与える影響を最小限にするため、既存の病院の活用を想定していました。さらに、西日本であれば、今回の東日本大震災のようなことがあっても、教育を中断することはないため、リスク管理の面からもいいと考えています。 運営の一つの方法として、西日本の病院に、臨床教授、臨床准教授などを置いて、寮も作る。学生は半年間、その病院に行き、宮城県で不足している実習を行う。 目黒泰一郎氏は、「医学部を新設すれば、100人、200人単位で地域の医師は増える」と見る。 ――...