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産科医療補償制度、訴訟の増加を招く - 池下久弥・産科中小施設研究会世話人に聞く◆Vol.1

インタビュー 2012年5月11日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「我々分娩機関が支払う保険料が、制度設計ミスのために、280億円もの余剰金を発生させている。医師のみに不当な本制度の民主主義に適う改革案を要望したい」。全国330の産科施設で組織する、産科中小施設研究会は4月10日、産科医療補償制度の改善を求め、日本医療機能評価機構に要望書を提出した。要望内容は、(1)カルテ等の提出は不要、(2)補償と原因分析を明確に分ける、など7項目。 2009年1月にスタートした産科医療補償制度は、5年をメドに見直すこととされ、現在、その検討が進められている。折しも、厚生労働省では、産科領域以外にも無過失補償制度の対象を広げることを目指し、検討を進めている。 産科中小施設研究会の世話人を務める、池下レディースチャイルドクリニック(東京都江戸川区)院長の池下久弥氏に、現行の産科医療補償制度の問題点をお聞きした(2012年4月6日にインタビュー。その後、池下氏らが行った4月10日の機構との懇談内容も補足。計3回の連載)。 ――先生は、産科医療補償制度を強く問題視しています。その背景をお聞かせください。 この制度を運営しているのは、日本医療機能評価機構ですが、彼らは医療...