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患者が無料で鑑定書を入手できる仕組み - 池下久弥・産科中小施設研究会世話人に聞く◆Vol.2

インタビュー 2012年5月18日 (金)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――「原因分析報告書」の90例のうち、78.8%は「過失あり」と読めるとのことですが、その基準は。 「原因分析報告書」は、原因分析委員会の各部会が報告書案を作成し、同委員会が承認する形になっています。同委員会委員長の岡井崇先生(昭和大学産婦人科主任教授)が、今年2月15日の「産科医療補償制度運営委員会」に提出した資料では、原因分析報告書について、「当事者の法的責任の有無につながるような表現は避ける」としています(機構のホームページPDF:3.16MBの54ページ)。 しかし、その中で、「医療水準の高低に関する表現例」として、15段階に分けて例を示しており、上は「優れている」「適確である」などですが、下は「選択されることは少ない」「一般的ではない」「基準から逸脱している」「医学的妥当性がない」「劣っている」「誤っている」などとしている。岡井先生は、「原因分析報告書は判決ではない。評価だ」などと発言しています。しかし、「逸脱している」「誤っている」などは、裁判における判断と変わりはないでしょう。 これらネガティブな6つのいずれかに該当するとされたのが、90例のうち78.8%です。 池下久弥...