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総合医が必要な四つの理由◆Vol.1

スペシャル企画 2012年5月17日 (木)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

総合医とは何か、果たすべき役割は何か、基本領域の専門医として位置付けるべきか……。かねてから総合医をめぐっては何度も論議されているが、関係者の間でもいまだに同意が見いだされていない。こうした中、昨秋から開始した厚生労働省の専門医に関する検討会では、総合医の問題が取り上げられ、改めて総合医への関心が高まっている。 m3.comでは、総合診療の領域でオピニオンリーダーの一人、聖路加国際病院院長の福井次矢氏と、総合医養成に力を入れ、その取り組みが注目されている筑波大学医学医療系地域医療教育学教授の前野哲博氏の対談を企画、総合医をめぐる現状や養成に向けた課題などについて語っていただいた(対談は2012年4月22日に実施。計6回の連載。写真:村田和聡)。 ――最初に総合医の必要性について、改めてお考えをお聞かせください。 福井 今年1月の厚生労働省の「専門医のあり方に関する検討会」で私が説明した時には、総合医の必要性について、四つの視点からまとめました(資料は、厚労省のホームページに掲載)。臨床の現場で頻繁に起きていることですが、「お腹が痛ければ、消化器の病気だろう」「胸が痛ければ、循環器の病気...