重度脳性麻痺、3割弱は原因特定できず
レポート
2012年5月14日 (月)
橋本佳子(m3.com編集長)
日本医療機能評価機構の産科医療補償制度再発防止委員会は5月14日、記者会見を開き、「第2回再発防止に関する報告書」を公表した。2011年12月までに公表された原因分析報告書79件を分析した結果、制度の補償対象となる重度脳性麻痺の主たる原因が判明したのは58件(73.4%)で、残る21件(26.6%)は「原因が明らかではない、または特定困難」とされた。報告書公表は2011年8月の第1回に続いて2回目で、第1回の15件も今回の分析対象に含まれる。79件の内訳は、病院49件、診療所29件、助産所1件。 原因が判明した58件のうち、主たる原因が一つの事例は43件で、常位胎盤早期剥離が最も多く14件。以下、臍帯脱出以外の臍帯因子11件、臍帯脱出5件、子宮破裂4件などと続いた。一方、複数の原因によるものは、15件だった。 再発防止委員会委員長を務める池ノ上克氏(宮崎大学医学部附属病院長)。 これら「数値的・疫学的分析」を行った上で、報告書では、「吸引分娩」「常位胎盤早期剥離の保健指導」「診療録等の記載」の3テーマを取り上げ、後述のように事例紹介と再発防止策などを提案している。 再発防止委員会委員長...
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