「ジェネラリスト必要」、認識高まる◆Vol.2
スペシャル企画
2012年5月22日 (火)
司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――学生あるいは若手医師の総合医に対する関心は、高まってきているのでしょうか。 前野 高まってきていると思います。今、私がお話したイメージを持つ学生は決して少なくないと思います。 ――医学部入学時点は、総合医的志向を持っていても、医学教育の6年間で、教員の大半は臓器別の専門医であるため、その講義を聞くうちに、次第に志向が変わるという話もお聞きします。 「日本では、一人の患者、あるいは特殊な病気を診ることに大きな価値を見い出し、精力を費やしている」(福井次矢氏) 福井 専門医は、「自分が診たい病気だけを診ていたい」と考えるわけです。しかし、「自分の診たい病気を仕分けしてくれる医師」がどこかにいなければ、あらゆる病気を診なくてはならない。「仕分けする医師」の必要性は、誰が考えても当たり前の話です。ところが、大学の教授の多くは、自分が専門とする領域以外で何が起こっているかが分からなくなってしまいます。周囲の人が、「この教授は、この疾患しか診ない、あるいは診ることができない」と分かっているため、仕分けされた患者だけが教授に診察してもらう仕組みができ上がってしまうのです。したがって、教授は、日常...
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