専門医制度とキャリアイメージがカギ◆Vol.4

――キャリアイメージを形成するためには、基本領域としての一つとして、総合医を専門医として確立することが必要なのでしょうか。 福井 やらなければいけないことが数多くありますが、その一つが専門医制度の中に組み込むことです。循環器の専門医と、総合医の専門医は、同程度の専門性だと考えなくてはいけない。しかし、パラダイムが違うので理解されにくい。「特殊な病気」を診る専門医ではなく、「幅広く診る」という専門性を理解してもらう必要があります。「総合医の専門性は認めるが、その専門性は皆が共通に持っている」など、訳の分からないディスカッションにしばしば陥ります。「狭い領域を深く究める」専門性と、「幅広い領域を万遍なく診る」専門性が、対等なことをどれくらい説得できるかが課題です。 ――今の厚労省の検討会で、総合医が専門医に位置付けられる見通しは。 福井 まだ分かりません。今の専門医制度では、コンセプトが整理されていないと思っています。日本専門医制評価・認定機構の制度は、18の基本領域をベースにした二階建ての仕組みです。二階部分に内科のサブスペシャリティが置かれていますが、私は、循環器内科などは基本領域に位...