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医学部定員増より地域枠学生の育成がカギ

レポート 2012年7月19日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

全国医学部長病院長会議は7月19日、定例記者会見を開き、今後の地域医療を支えるためには、ここ数年で急増した地域枠の医学生の育成が重要課題になるとし、その教育・研修の核として大学が果たす役割が重要であると強調した。地域に定着し、かつ専門医取得を目指すキャリアパスをいかに描くかが重要だとする考えがその背景にある。 医学部入学定員の地域枠は、2007年度は9大学64人だったが、2008年度以降、急増、2011年度は67大学1292人まで増加、2012年度は1300人を超えている。国立大学医学部長会議の地域医療・医療人育成に関する小委員会委員長で、滋賀医科大学学長の馬場正美氏は、2004年度の臨床研修必修化以降、大学に籍を置く卒後3年目の医師が減少している点を指摘。全体では、必修化前は70%強が大学にいたが、最近では50%台に低下、特に小都市では40%弱まで減少。その結果、大学の医師派遣力が低下し、地方の公立病院などの医師不足を招いているとした。 馬場氏は、現状の問題解決には、「地域枠の学生を、地域医療全体を支える医師として育成できるかが大きなカギになる。そのためには、一定期間、大学を中心にし...