1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 先発品と後発品、同一価格では薬剤費下がらず

先発品と後発品、同一価格では薬剤費下がらず

レポート 2012年7月22日 (日)  橋本佳子(m3.com編集長)

中央社会保険医療協議会の薬価専門部会(部会長:西村万里子・明治学院大学法学部教)が7月18日開催され、後発医薬品が発売された後の(長期収載品)の価格のあり方を議論した(資料は、厚生労働省のホームページに掲載)。 参考人として出席した名城大学薬学部教授の坂巻弘之氏は、OECD加盟国は長期収載品とその後発医薬品の薬価に価格差が存在するのが一般的であり、適正な価格差の存在と後発医薬品の使用促進策の組み合わせが薬剤費削減につながると考えられていることを紹介。 OECD加盟国の多くでは、後発医薬品は発売時、先発医薬品に対して割引された価格になるほか(価格リンケージ)、ドイツなど参照価格制を導入している国でも後発医薬品の価格は一般的に先発医薬品より安く設定される。仮に、先発医薬品と後発医薬品の薬価の価格差がない制度にした場合、(1)一時的には薬剤費は削減されるが、その後は後発医薬品のシェアが拡大しても薬剤費削減にはつながらない、(2)後発医薬品が廉価であることは国民に浸透してきているが、この認識とズレが生じる、(3)長期収載品の価格引き下げを制度的に新たに組み入れる必要がある――などが課題になると...