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産科医療補償制度で訴訟は増加するか

レポート 2012年7月23日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

NPO法人医療制度研究会主催の公開討論会「産科医療補償制度の本質を議論する」が7月22日、東京都内で開催された。同研究会は5月に産科医療補償制度に関する講演会を開いたが、議論を尽くせなかったことから、企画されたのが今回の公開討論会だ(『「無過失だけ補償制度」、産科医療補償制度を批判』を参照)。 焦点になった一つが、損害賠償請求事例が増えるか否かなど、産科医療補償制度が責任追及につながるかという点。しかしながら、この点も含め、3人の演者の主張は明確になったものの、相互の意見の相違などを掘り下げ、産科医療補償制度の何らかの改善策を見いだすには至らなかった。 公開討論会は、午後1時半から、途中15分程度の休憩をはさみ、午後6時まで続いた。 3人の演者とは、弁護士の井上清成氏、池下レディースチャイルドクリニック院長で、全国の330の分娩施設で構成する産科中小施設研究会世話人の池下久弥氏、産科医療補償制度の原因分析委員会委員長を務める、昭和大学産婦人科主任教授の岡井崇氏。それぞれが発言、その後、演者間の討論、フロアを交えた討論という形で展開され、公開討論会は4時間半近くに及んだ。 産科医療補償制...