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医師の適正配置、“強制”以外の方法で - 横倉義武・日本医師会会長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2012年8月1日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

横倉義武会長は、独占禁止法を盾に、医学部新設を求める動きがあるのに対し、「国民の健康、命に一番関係する医師という専門家の養成において、独占禁止法などの法律を当てはめること自体がいかがなものか」との考えを示す。 ――医学生に、都道府県医師会長が地域医療の講義をされているとお伺いしましたが、その地域医療の建て直しも重要な課題です。改めて地域医療の現状認識、問題点をお聞きします。 医師の地域偏在を助長したものは何かについて、もう一度、振り返る必要があります。一つには、卒後の初期臨床研修先を全国規模でのマッチングで決める方法が果たしてよかったのか、という問題があります。それぞれのブロック単位の枠でやるのがよかったのでは、という思いがします。 その後の研修では、多くは学会専門医を目指しますが、学会専門医のあり方の中に、臨床研究、もしくは医学研究の要素が、もう少し必要ではないかという考えもあります。そのような指導をきちんとできる体制を、大学医学部、大学附属病院の協力の下で構築する。そうなると、教育できる数はある程度、限られてくるわけです。 昭和50年代に、全都道府県に医学部・医科大学を最低一つ以上...