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女医の就労を阻むのは“ガラスの天井”

レポート 2012年8月15日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

「性差に伴う就労上の不利益な経験」、つまり男女就労機会格差があると認識している女性医師は、パートタイムで働く医師の方が、フルタイムの医師よりも有意に多いことが明らかになった。帝京大学公衆衛生大学院准教授の野村恭子氏らが、Social Science&Medicine;誌(2012年7月30日号)に発表した。 女性医師のフルタイム勤務に影響を与える因子として、結婚、出産・育児が知られているが、これらに加え、年齢、専門医資格の有無などを調整してもなお男女就労機会格差を認識しているパートタイム医師は有意に多いという結果だった。医師不足の時代、年々増加する女性医師がフルタイムで勤務できる環境作りが急務になっている中、育児支援などに加え、男女就労機会格差の改善を意識した取り組みの重要性が示された。 野村氏は、「男女就労機会格差、つまり“ガラスの天井”の存在は、従来から指摘されていたが、今回の研究で定量的に示した意義は大きい。“ガラスの天井”により、就労へのモチベーションが低くなり、その結果、パートタイム勤務が増える可能性が示唆された」との認識を示す。 帝京大学公衆衛生大学院准教授の野村恭子氏は、...