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医師らに3億円の「インセンティブ手当」◆Vol.1

スペシャル企画 2012年8月17日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

2010年度と2012年度の2回の診療報酬改定で、病院勤務医等の負担軽減と処遇改善が重点課題になった。一方で、政府は、2012年2月に成立した「国家公務員の給与の削減特例に関する法律」に基づき、国家公務員に準拠し、国立大学法人等にも平均7.8%の給与削減を求めている。一方で追い風、他方で向かい風の中、負担軽減・処遇改善はどの程度、進んだのか――。病院勤務医の勤務環境が特に厳しい状況にある大学の事情をシリーズで探っていく。 「医師や医療者の“労力”にいかに報いるかだが、それは使命感と感謝、そして報酬の三要素だと考えている。単に手当を付けたいわけではないが、ただでさえ国立大学法人の給与水準は民間や公立などと比べて低い。これ以上、格差が広がったら、大学ではより良い人材の確保もままならず、その結果、教育、研究、臨床が進まなくなる懸念がある」 佐賀大学医学部附属病院長の宮崎耕治氏は、職員に対し「インセンティブ手当」を支給している理由をこう説明する。2010年度下半期に8項目でスタート、2012年度は16項目に増やした(表1)。これは、「病院勤務医等の負担軽減・処遇改善」という診療報酬改定の趣旨を...