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「金、日、火、木」の当直で体調壊す -狭間研至・ ファルメディコ(株)代表取締役社長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2012年9月5日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――多忙な大学院時代、医師としても医療に矛盾を感じていた。 僕が阪大に入学したのは1989年ですが、定員が120人、100人、80人と減っていった時期だった。その頃、阪大の卒業生のうち20人くらいが眼科を希望した時期もあり、教授会で問題になったこともあったと聞いたことがあります。 医学部の定員を減らしたことが、医師不足としてその後、ボディーブローのように効いてきた。僕自身は、研修を始めてから1年2カ月、1日も休みがなかった。医師が全部をやらなければいけない時代だった。それが当時は普通。ある朝、「今日は休みが取れるかな」と思ったら、ポケベルが鳴った。病棟からで、「先生、○○さんが、おかゆに戻してほしい、と言うてはります」という内容だった。「何で、僕がせなあかんのか」と。その時から、医師は医師にしかできない仕事に専念すべきだと思っていた。「カルテ持って行ってください」「検体持って行って」とか……。いろいろな仕事をやるのは、病院の仕組みを知る上では役立ちますが、医師がすべてやる時代ではない、医療における「全体最適」があるんじゃないかと。 大学院を終え、実母が経営する薬局を継ぐことを担当教授に...