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厚生労働省の幹部人事を読み解く

オピニオン 2012年9月7日 (金)  元厚生労働省官僚

先日発表されたこの9月の厚生労働省の幹部人事を全体として見ると、世間一般では村木厚子氏の社会・援護局長就任などが話題となっているが、その陰では、旧来からのしきたりに戻ったという意味で、おおむね官僚的な規律に従った人事が行われたという印象だ。主だった人事を取り上げながら、その点を詳しく見てみたい。 事務次官は6年ぶりに旧労働省出身 阿曽沼慎司事務次官の後任には旧労働省出身の金子順一労働基準局長が就任し、旧厚生省出身で、金子氏と同期の大谷泰夫医政局長は厚生労働審議官に就任する。旧労働省出身で次官就任は戸苅利和氏以来で6年ぶりとなる。 2000年の省庁再編で複数の省庁が合併した役所では、それらの旧出身省庁の間で、どのように事務次官ポストのサイクルを回すかに苦心して、旧出身省庁者が交代して就任するという「たすき掛け人事」などがしばしば行われる。一緒になったのだから昔の出身省庁など気にしなくてもいいではないかとも思うが、民間でも合併した企業の間で同様のケースがあるので、霞が関だけの話ではないのかもしれない。いずれにせよ、厚生労働省の場合も、当初は「たすき掛け人事」が行われていた。しかし、その時々...