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医学部新設は必要なし、地域枠の効果は限定的- 高久史麿・日本医学会会長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2012年10月10日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――次に、医師養成の関連で、医学部定員の問題についてお聞きします。 数は随分増やしましたよね。もう1400人くらい増えたのでは。 ――2008年以降、1366人増えました。 特に増えたのは、「地域枠」です。「地域枠」の学生は、臨床研修の後も県内に残るため、この制度は悪くないと思いますが、県内の地域偏在、診療科の偏在は、今の状況ではいくら定員を増やしても解決しません。同じ県内であれば、大学でもどこでも研修場所は問わないという「地域枠」では、有効性に限界があります。 高久史麿氏は、医師数については、「本来医師の集団が自律的にコントロールすべきだと考えている」との考えを示す。 私はドイツのように、各県の医師会、大学、第三次医療機関や行政などが話し合って、地域や診療科の医師の分布を自律的に行う制度を作らないと、どんなに医師を増やしても今の問題は解決できないと考えています。ただ、ドイツの場合、医師会は強制加入ですが、日本の場合はそうではない。私個人の意見としては、日本も本当は医師全員が医師会に入るようにすべきだと思います。日本でも弁護士会は強制加入です。 ――先生の現状の認識としては、地域と診療...