出生前診断は「妊婦にメリット」- 関沢明彦・昭和大学産婦人科准教授に聞く◆Vol.1
インタビュー
2012年10月12日 (金)
聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)
今年8月末、一般紙でも大きく報じられた血液による出生前診断。確度の高い検査であるこが報じられたものの、当初「9月から始まる」とされた臨床研究については延期され、日本産科婦人科学会が、11月にダウン症関連団体を招いたシンポジウムを開き、12月までに、検査の対象やカウンセリングの在り方についての学会指針をまとめる方針。技術の詳細と今後の見通しについて、臨床研究の開始を検討している昭和大学産婦人科准教授の関沢明彦氏に話を聞いた(2012年9月18日にインタビュー。計2回の連載)。 ――血液による出生前診断を検討された経緯を教えてください。 今年2月に東京で胎児遺伝子診断研究会を開いた時に、今回の臨床研究で技術を導入する予定の米・シーケノム社の前CEOに会いました。彼は技術的な責任者で、話しているときに、日本国内で検査事業を開始したいとの話があり、今年4月から検討を始めました。 「母体血液に混ざった胎児由来のDNAの濃度で異常が分かる」と説明する、関沢明彦氏。 ――血液からなぜ分かるのでしょうか。 胎盤の中には絨毛という組織があって、胎児由来の絨毛細胞がその表面を覆っています。この絨毛細胞が母...
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