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患者全体が分かる医師が必要 - 宇都宮啓・厚労省保険局医療課長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2012年10月31日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――そもそも後発医薬品の使用促進を進める理由は何か。薬剤費の抑制が目的であれば、特許が切れた長期収載医薬品の薬価を下げるという方法もありますが、この辺りはどうお考えでしょうか。 その辺りはいろいろな考えがあると思います。全体を含めてどのように薬剤費を抑えていくかを考えた場合に、長期収載医薬品などの問題だけでなく、医師の薬の使い方という議論もあるでしょう。 高齢化が進み、疾病を幾つも抱える患者がいます。10剤も処方されているようなお年寄りもいるわけです。特に認知症のBPSDのような症状については、「薬を切ったら、良くなった」という話はよく聞きます。あるいは逆に薬の飲み残しの問題もあります。本当に多くの薬が必要なのでしょうか。そうした観点も大事で、いろいろなアプローチがあるでしょう。 宇都宮啓氏は、患者全体を診る主治医、かかりつけ医の必要性を強調する。 ――その辺りの医薬品使用の適正化は、診療報酬で何らかの対応はでき得るのか。1処方で7種類以上の内服薬の投薬した場合には、薬剤料や処方せん料などの減額措置があります。 ただし、それは1医療機関での話。複数の医療機関で多剤投与された場合にはチェ...