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血液での出生前診断は「広がる可能性高い」 - 関沢准・昭和大学産婦人科准教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2012年10月19日 (金)  聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

――どのような運用をされる予定でしょうか。 基本的には羊水検査を提示する染色体異常のリスクの高い妊婦に、羊水検査とともに血液診断を提示する予定です。血清マーカー検査や超音波検査での染色体異常スクリーニングとも並列に説明することもあります。まず検査の前に、遺伝カウンセリングを実施して、「検査で何が分かるか」「染色体異常とは何か」を説明します。 陽性的中率を考えると、血液診断で陽性が出た人には、羊水検査が必要になります。羊水検査でダウン症と診断された場合には、時間をかけて遺伝カウンセリングを行う必要があります。詳しいダウン症の臨床情報、発育歴、将来の育ち方を伝えます。その上で偏見のない正しい病気の理解の上で、夫婦で話し合って赤ちゃんをどうするかを判断してもらうことになります。この判断は、重大な判断ですので時間をかけて、ゆっくりと行う必要があります。検査では、僅かですが偽陽性が出ますので、実際に陽性と言われた人が混乱しないようにも注意しないといけません。 また、陽性的中率も、年齢によりますが99%ではないので、間違った情報から、羊水検査を行わないで中絶することのないよう、十分な理解を求める必...