1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 海堂尊の「私とAiの履歴書」◆Vol.2

海堂尊の「私とAiの履歴書」◆Vol.2

インタビュー 2012年10月25日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――『チーム・バチスタの栄光』を執筆される以前に、小説を書いたり、学んだりされた経験はあるのでしょうか。 ないです。ただ、すごくムラはありますが、読書は好きだった。中学1、2年の頃にたくさん読んで、受験で中断、高校1、2年でまた読んで、大学受験と浪人の時代は再び中断。大学の教養時代は、基礎医学の本も含めて結構読みましたね。臨床医学の講義が始まると減り、国家試験の前と外科医の7年間は全く読まなかった。全くというのは語弊があり、新聞や雑誌には目を通していましたが、小説類はゼロに近かった。 ――大学の教養時代に読まれていたのは、どんな本ですか。 もう雑多、あらゆる本です。歴史も好きだったし、阿佐田哲也、安部公房、筒井康隆などの流行作家の本も、エラリークイーンやチャンドラーなどの推理小説もよく読みました。プルーストの『失われた時を求めて』も読破した。 Aiが思うように推進せず、「最後に一発、それくらいやって、それでもダメなら撤退しよう」と考えたことが、海堂尊氏が小説を書こうと考えたきっかけだという。 ――『失われた時を求めて』は大作です。 「紅茶にマドレーヌを浸して食べるのが好き」ということを...