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「診療関連死イコール警察への届出」は誤り

レポート 2012年10月29日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

厚生労働省の「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」の10月26日の第8回会議で、異状死体の届出を定めた医師法21法に関し、同省医政局医事課長の田原克志氏が二つの注目発言を行い、興味深い展開となった。 一つは、2004年の東京都立広尾病院事件の最高裁判決を引用し、「医師が死体の外表を見て検案し、異状を認めた場合に、警察署に届け出る。これは、診療関連死であるか否かにかかわらない」という解釈を改めて示した点。「検案の結果、異状がないと認めた場合には、届出の必要はない」(田原氏)。 もう一つは、同省が2000年に作成した「リスクマネージメントマニュアル作成指針」の解釈を示した点。同指針には、「医療過誤によって死亡又は傷害が発生した場合又はその疑いがある場合には、施設長は、速やかに所轄警察署に届出を行う」と定めている。田原氏は、(1)指針は、国立病院・療養所および国立高度専門医療センターに対して示したもので、他の医療機関を拘束するものではない、(2)医師法21条の解釈を示したわけではなく、「医療過誤によって死亡または傷害が発生した場合の対応」を示している――と説明。 1994年...