1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 医療の傲慢、自費出版でも伝えたかった - 中村仁一氏に聞く◆Vol.1

医療の傲慢、自費出版でも伝えたかった - 中村仁一氏に聞く◆Vol.1

インタビュー 2012年11月8日 (木)  聞き手・まとめ:島田 昇(m3.com編集部)

2012年1月に発行し、50万部を突破したベストセラー『大往生したけりゃ医療とかかわるな 「自然死」のすすめ』(幻冬舎新書)。「超高齢社会」「多死時代」に向けて、必要最低限の医療による「自然死」の必要性を訴える内容だが、医療従事者にとっては、内容よりも先に「医療とかかわるな」のフレーズばかりが目に付いてしまうだろう。自身が医師で著者の中村仁一氏はなぜ、このような過激なタイトルで本書を上梓したのか――。「自費出版でも伝えたかった」と語る中村氏の訴えと、その真意をお聞きした(2012年10月16日にインタビュー。計2回の連載)。 ――本書を上梓された背景を教えてください。 本のタイトルを見て、私が医療を全面否定していると勘違いされた方も多いようですが、そんなつもりは毛頭ありません。ただ、本来であれば我々が最も重視すべきQOL(生活の質)の視点が、今の医療にはあまりにも欠けています。このことを、私は問題にしているのです。 中村 仁一(なかむら じんいち)氏 1940年長野県生まれ。京都大学医学部卒業。勤務医として経験を重ね、財団法人高雄病院院長、理事長を経て2000年2月から社会福祉法人「同...