日本脳炎「接種中止の必要性なし」
レポート
2012年10月31日 (水)
池田宏之(m3.com編集部)
第7回厚生科学審議会感染症分科予防接種部会が10月31日、厚生労働省で開かれ、日本脳炎の予防接種と死亡の関連が疑われた2例について、1例は「関連性が薄い」、もう1例は「継続調査が必要」との結論に至った。予防接種の安全性については「従来と変わらないため、現時点で接種中止の必要はない」と判断された。 2例のうち1例は今年7月、「5歳から9歳未満」の子ども。日本脳炎の予防接種を受けて、2日後に硬直性のけいれんを繰り返すようになり、急性脳症と診断された。DICや多臓器不全の症状が現れ、接種から7日後に死亡した。幼児は甲状腺機能低下症とてんかんで、内服加療していた。予防接種部会では、「ワクチンと死亡の関連性を判断できる材料が少ない」として、髄液の検査などの結果が出てから改めて判断することになった。 2例目は今年10月に、10歳の小児が死亡したケース。資料によると、予防接種前から、不安そうな表情を見せ、腕を組むような格好で予防接種を受けた。5分後に、顔色不良で反応がなくなり、約15分後には脈がなかったという。病院に搬送された後、約2時間、心肺蘇生を実施したが、心拍再開は一度もないまま死亡した。小児...
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