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訴訟の権利は制限せず、産科医療補償制度

レポート 2012年11月2日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

日本医療機能評価機構が運営する、産科医療補償制度運営委員会の第15回会議が11月1日に開催され、産科医療補償制度で補償を受けた場合に、提訴する権利を制限するかどうかが議論されたが、次期の制度見直しにおいて制限を設けることは見送る方針で一致した。 憲法32条の「裁判を受ける権利」(訴権)に反すること、本制度の補償額(3000万円)を超える賠償金となる事例の場合、訴権の制限は保護者の利益を損なうこと恐れがあること、さらには訴権の制限がある場合、本制度への補償申請が行われず、従来の損害賠償請求の枠組みで補償を求めるケースが増え、「紛争の防止・早期解決」効果が現行よりも薄れる可能性があることなどが理由だ。 委員からも反対意見はなく、「この議論をすること自体がナンセンス。訴権の制限はあり得ない」(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員の勝村久司氏)、「従来から訴権は制限すべきでないと言ってきた。この議論を続けること自体、制度の混乱を招く」(弁護士の鈴木利広氏)、「訴権を制限するには、制限してもやむを得ない合理的な理由と代替措置が必要。今回は合理的な理由があるとは考えられず、また(損害賠償請求...