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自賠責でも急増、柔整療養費

レポート 2012年11月12日 (月)  池田宏之(m3.com編集部)

2012年度日本臨床整形外科学会(JCOA)のシンポジウムが11月11日、都内で開かれた。参加したシンポジストが、自賠責保険の支払いでも柔道整復への療養費額が急激に伸びていることや、法律に抵触する可能性のある医業類似行為の広告が野放しになっている現状を問題視、「医学的知見のない診断書は出さない」「問題のある事例は都道府県の担当部局へ通報する」などの対策が話し合われた。 JCOAの自賠・労災委員会の山下仁司委員長が、自賠責保険での医業類似行為の支払い状況について紹介。自賠責での軽度頸部障害の治療費は、損害保険料算出機構のデータを基に計算すると、自賠責1件当たりの柔道整復の施術費が、病院への通院より約4万3000円高い12万5000円、施術期間も通院の2倍以上の86.1日となっている。治療(療養)費全体を見ても、柔道整復療養費の平均は1件当たり30万7000円で、通院(16万8000円)の2倍近くなっている上、1995年は20万円を切っていたが、それ以降は毎年増加しており「病院には重度な症例が行くことを考えると異常だ」と指摘した。背景として、柔道整復の増加による競争の激化や健康保険での療養...