専門医の機械的配置には“嫌悪感”―有賀徹・日本救急医学会代表理事に聞く◆Vol.3
インタビュー
2012年12月17日 (月)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
有賀徹・日本救急医学会代表理事に聞く Vol.1◆救急医療のカギ、トリアージと情報共有 Vol.2◆災害医療の課題はDMATと消防の連携 Vol.3◆専門医の機械的配置には“嫌悪感” ――若手医師や医学生に、先生はどのように救急医療の面白さ、魅力を伝えていますか。 若い人はやはり病態生理でしょう。救急医療には、集中治療という方法論があり、ものすごい“器械化部隊”。普通の病棟では味わえないダイナミズムがあるわけです。血圧を保つだけであれば永久に保てるくらいの腕力はある。若い人は、死にかけている人が死なずに済むよう、とてつもないハイテクと器械を使う技を身に付ける。それはとてつもなく面白いこと。普通の病棟ではレスピレーターの使用も大変なことですが、集中治療では、左と右の肺を別のレスピレーターで管理することさえある。しかし、次々と新しい器機が開発されるので、そこに居続けないとあっと言う間に遅れてしまう。 若い人に、「終末期医療の問題が面白いから、救急医療に来れば」と言っても、何を言っているのかが分からないでしょう。だけど、そこで仕事をし、自分たちの上級医たちを見ていると、次第に分かってくる。 ...
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