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「必勝より不敗」が手術の基本―寺本明・日本脳神経学会理事長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2012年12月20日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

寺本明・日本脳神経学会理事長に聞く Vol.1◆“脳神経外科領域の最高賞”を創設 Vol.2◆他学会に先駆け専門医制度を改革 Vol.3◆「必勝より不敗」が手術の基本 ――ところで先生が、脳神経外科、さらには下垂体疾患をご専門にされたのは、どんな理由からなのでしょうか。 私は東大闘争のために、大学を1年留年しているのです。1973年の3月卒業ですが、本当は1972年卒のはずだった。東大闘争は2年の時にはかなりひどくなってきて、(医学部のある)本郷に進学した時には既にストに入っていました。医学部の学年は、「M1、M2、M3、M4」と呼ぶのですが、上級生の皆が留年しているわけですから、私たちは「M0」(エムゼロ)と言われた(笑)。 寺本明氏の一言は、「必勝より不敗」。「勝つか、負けるか」ではなく、「勝つか、引き分け」を目指すべきだという。 もともと外科系の臨床医になろうと考えていたのですが、「手に職を付けたい」との思いが強まったのは、「医学部で勉強しよう」と思っていた時に、ストで全然できなかったから。1年間のブランクがあり、とにかく勉学に飢えていた。ようやく授業が始まって、臨床がやりたい、...