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総選挙後の医療政策はどうなるのか◆Vol.3

スペシャル企画 2012年12月21日 (金)  小松秀樹(亀田総合病院副院長)

財源 2010年度の社会保障給付費は103兆円5000億円。年金が51兆7000億円、医療が32兆3000億円、福祉その他が17兆2000億円だった。前年より全体として3.63%、医療は4.82%増加した。社会保障給付全体として見ると、財源としては社会保険料57.8%、公費負担が40.1%だった。 財政赤字で公費負担が増やせない状況についてここでは触れない。 医療について、社会保険料が危うい状況にある。国民健康保険被保険者の平均世帯収入は、2009年、145万円でしかなかった。1世帯当たりの平均保険料は14万3895円である。過酷と言ってよい金額である。1992年から2009年までに、世帯平均収入は40%減少し、一人当たりの平均収入は23%減少した。この間、平均保険料はわずかに減額しただけである。貧困化によって保険料を支払えない世帯が増加してきた。2010年9月30日現在の国保世帯における2009年度の国民健康保険料の収納率は、89.2%だった。 健保組合の財政は、2008年度以降、後期高齢者医療制度への支援金、前期高齢者納付金の拠出が保険料収入の半分近くを占めることになり、急速に悪化...