1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「水をも漏らさず」が内科の魅力─寺本民生・日本内科学会理事長に聞く◆Vol.2

「水をも漏らさず」が内科の魅力─寺本民生・日本内科学会理事長に聞く◆Vol.2

インタビュー 2013年1月10日 (木)  星良孝(m3.com編集部)

寺本民生・日本内科学会理事長に聞く Vol.1◆医療安全の向上を主導したい Vol.2◆「水をも漏らさず」が内科の魅力 ──内科の魅力とは何でしょうか。 内科は医療全体のベースになる分野です。内科学は患者の問診、診察、臨床推論の技術を体系化した学問です。外科であっても同じプロセスをたどるのです。 外科と異なるのは、内科は確定診断に至らなくても治療するという点です。外科であれば、胃癌ならば癌を特定して、癌を除去するという流れになる。内科の場合は、鑑別診断を進めて、臨床推論の過程の中で、疾患を特定します。いわば猜疑心を持ちながら診断をする。そこに面白さがあります。「水をも漏らさず」の力が要求されます。 言い古されたことかもしれませんが、全人的なケアというのが内科では重要なのです。内科の課題として感じるのは、専門分化が進みすぎている面がある点です。循環器、呼吸器などと専門がありますが、同じ内科であるにもかかわらず、内科と外科の関係性が内科の専門診療科同士にも成立している。同じ内科として共通して持つべき知識はあるはずです。患者をトータルに診られる人は必要になります。専門分化から統合の動きも問わ...