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座敷牢の10年が「平穏死」へ導いた―石飛幸三氏に聞く◆Vol.2

インタビュー 2013年1月11日 (金)  聞き手・まとめ:島田 昇(m3.com編集部)

『「平穏死」という選択』石飛幸三氏に聞く Vol.1◆死期の受容が市民権得る Vol.2◆座敷牢の10年が「平穏死」へ導いた アップル創始者ジョブズ氏の「点と点をつなぐ」のスピーチになぞらえ、外科医から特養の常勤医に至った経緯を明かす石飛幸三氏。 ――そもそもなぜ、特別養護老人ホームの常勤医になろうと思ったのですか。もともとは病院の外科医でキャリアを積み上げていて、副院長も務められました。 2005年に米スタンフォード大学の卒業式で、米アップル創始者のスティーブ・ジョブズ氏が「点と点をつなぐ」というスピーチをしたのだが、人生とはまさに、その通りだと思う。呉服屋の息子として生まれてから、特養の芦花ホームで看取りの医師になるまで、さまざまな人生の点があった。それらの点は、一見、今の自分を形成する要素として無駄だったと思えるものもあるように見えるが、とんでもない。実は何一つ無駄なことなどなく、一つひとつの点と点がつながりあったからこそ、今の自分がある。 点の中で最も大きな転機となったのは、東京都済生会中央病院で副院長を解任されてからの10年だった。 東京都済生会中央病院には、血管外科医として...