『医療防衛』は消費税問題が発端 - 今村聡・日本医師会副会長に聞く◆Vol.1

『医療防衛～なぜ日本医師会は闘うのか』（角川書店）を2012年3月に上梓した日本医師会副会長の今村聡氏。現職の日医幹部が医療問題の一般書を出すのは異例。人気ベストセラー作家、海堂尊氏との共著という点でも注目を集めた。本書にどんな思いを込めたのか、また2013年の医療環境をどう見ているのか――。昨年末、師走の慌ただしい日々を送る今村氏にお聞きした（2012年12月3日にインタビュー。計3回の連載）。 今村聡・日本医師会副会長に聞く Vol.1◆『医療防衛』は消費税問題が発端 Vol.2◆消費税問題は勤務医にも深く関係 Vol.3◆2013年医療環境、「厳しい」と予想 ――『医療防衛』を書かれたきっかけをまずお教えください。 医療と消費税に関する問題は、医療の中だけで解決するにはあまりに多すぎます。1989年の消費税導入以来、20年以上にわたって社会保険診療は非課税ですから、制度を抜本的に変えようとすると、政府や政治家に要望するだけでは済まなくなっていると思うのです。非課税とされ、診療報酬で対応するとされてきた医療について、消費税を課税する制度に変えることは、理論的に言っているほど簡単では...