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「がんはタブーとフィクションで成立」-近藤誠氏に聞く◆Vol.1

インタビュー 2013年1月15日 (火)  聞き手・まとめ:島田 昇(m3.com編集部)

「早期発見早期治療」「抗がん剤治療」などのがん医療の現状を「タブーとフィクションで成り立っている」と一貫して批判し続ける慶応大学医学部放射線科講師の近藤誠氏。2012年にはこれまでの主張の集大成とも言える『がん放置療法のすすめ 患者150の証言』を上梓し、12月に第60回菊池寛賞を受賞した。近藤氏は今後も精力的に執筆活動を行うことで、理性ある患者の行動を促し、「乳房温存療法」の普及と同様に、「がん放置療法」も広めていきたい考えだ。(2012年11月28日にインタビュー。計2回の連載)。 『がん放置療法のすすめ』近藤誠氏に聞く Vol.1◆「がんはタブーとフィクションで成立」 Vol.2◆万年講師でも科学者でありたかった 「医療界では『近藤誠』はタブーの領域だからね」と笑う近藤氏。 ――医療界で急速に広まった乳房温存療法、注目を集めている「がん放置療法」などを先駆的に提案される一方、医療界の中には反発の声もあります。 医療界では「近藤誠」はタブーの領域だからね(笑)。 乳房温存療法にしても、医師の努力で広まったわけではない。患者が乳房をむやみに切り取る医師から離れ始めたので、どの外科医も...