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万年講師でも科学者でありたかった-近藤誠氏に聞く◆Vol.2

インタビュー 2013年1月18日 (金)  聞き手・まとめ:島田 昇(m3.com編集部)

『がん放置療法のすすめ』近藤誠氏に聞く Vol.1◆「がんはタブーとフィクションで成立」 Vol.2◆万年講師でも科学者でありたかった 医療界に論争を巻き起こす論文の執筆前、近藤氏は娘たちに「将来貧しくなるかもしれないから、覚悟しておいてくれ」と話したという。 ――『患者よ、がんと闘うな』(文春文庫、1996年)はかなりの論争になったと聞きます。 あの時はまだ若かったからね。その時の権威は当然、「この若造」ってことになるわけだ。向こうも踏み潰せると考えていたのだろう。だが、全ての反論に根拠がなかったので、私からの返り討ちに遭ってしまった。それで反論はなくなったので、反論があった時期は1年少しと短かった。 僕の文章は一行一行、全てについて再反論が可能なように努めている。なぜなら、僕の主張が「100」あるとすれば、その中の「1」でも間違っていればそこを集中的に叩き、残りの「99」も間違っているかのような印象を社会に与えようとしてくるだろうから、一行一行が大切なんだよ。 乳がんの10%は誤診なので、そこから推計すると日本全体で年間2000人が誤診で乳房を失っていることになる。そう書いたら、胃...