1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 私は「最後の耳・鼻科医」―森山寛・日本耳鼻咽喉科学会副理事長に聞く◆Vol.3

私は「最後の耳・鼻科医」―森山寛・日本耳鼻咽喉科学会副理事長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2013年2月4日 (月)  聞き手・まとめ:山田留奈(m3.com編集部)

森山寛・日本耳鼻咽喉科学会副理事長に聞く Vol.1◆レパートリーの広さが耳鼻科の魅力 Vol.2◆専門医認定を厳しく、新プログラムも Vol.3◆私は「最後の耳・鼻科医」 ――森山先生はなぜ耳鼻咽喉科を選んだのですか。 これ、私が一番弱い質問です。そもそも私は考古学がやりたくて、医者になりたいわけではなかった。しかも医学生時代は脳外科に行きたいと思っていたんです。高邁な精神で耳鼻咽喉科医になったわけではないから、学生に聞かれるといつも困る(笑)。 父は耳鼻咽喉科の開業医でした。高校生の時に「考古学をやりたい」と相談したら、「飯が食えないぞ」と一言。昭和40年、本当に食べられない時代でしたから、それは困ると思い、一浪して東京慈恵会医科大学に入りました。 脳外科に憧れたのは、当時「ベン・ケーシー」というテレビドラマがはやっていたのと、手術も好きだったから。でも、研究や論文書きは苦手で、ずっと大学にいられるタイプではない。それなら親父の跡を継ぐか、と耳鼻咽喉科医になりました。 ――動機はともあれ、今では天職。 私は「最後の耳・鼻科医」なんですよ。「耳の手術と鼻の手術、両方とも専門としている...