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3762人の人名で紡ぐ医学史 - 泉孝英・京大名誉教授に聞く

インタビュー 2013年2月6日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「すべての人々の仕事は、先人の仕事の上に成り立っている」。京都大学名誉教授の泉孝英氏(公益財団法人京都健康管理研究会・中央診療所長)は、そんな思いから昨年12月に『日本近現代医学人名事典』を編纂したと言う。掲載したのは明治元年の1868年から2011年までの間に、日本の医学・医療の発展に貢献した3762人(いずれも故人)で、医師や医療者だけでなく、患者や社会事業家など幅広い。 構想から上梓まで14年、実質的な編集作業は3年。著書などを基に、個々人の略歴や業績などを泉氏一人で確認、執筆作業を進めた。810ページという比類のない大作を上梓した泉氏に、事典編纂のきっかけや苦労話などをお聞きした(2013年1月29日にインタビュー)。 ――事典編纂のきっかけは何でしょうか。 直接的なきっかけは、類書がなかったから。僕は1999年に京都大学を定年退官した直後に、京大医学部の広報誌の「近況報告」に、医療以外の分野で三つの書籍を上梓すると書いています。一つは『第2次世界大戦下欧米往来記』でこれは既に単行本化しています。そして『日本医学研究者事典』で、これが今回の事典。残るは『バルト三国現代史』です。...