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病院医療に限界を感じGPへ- 澤憲明・英国総合診療専門医に聞く◆Vol.3

インタビュー 2013年2月28日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先生はいつ頃からGP (General Practitioner)を目指すようになったのでしょうか。 僕は医学生の時代は、内科に興味があり、実はGPにはあまり関心を持っていませんでした。始めは循環器専門医を目指していたのですが、初期研修医として病院医療を経験してから変わってきたのです。 2年目の研修で経験したのが、ノーザンプトンの急性期病院。急性冠症候群、喘息・COPD急性増悪、上部消化管出血、急性混乱や転倒などの患者さんがたくさん入ってくる。僕らは急性的な処置をして帰す。しかし、また病院に戻ってくるのです。喫煙をやめないとか、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを打っていないとか、アルコールを大量に飲んでいるとか、薬を指示通りに飲んでいないとか……。よく話を聞くと、処方された薬についてもあまり理解していない。 澤憲明氏が、2009年から後期研修を行った英国北部のリーズ。2012年秋からGPとして診療をしており、総合診療が天職であると実感していると言う。 ある時、1週間有給を取って、地域の診療所に見学に行ったのです。すぐに「あ、これだ。僕がやりたいことはここにある。自分に合って...