1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. GPは「ゲートオープナー」- 澤憲明・英国総合診療専門医に聞く◆Vol.5

GPは「ゲートオープナー」- 澤憲明・英国総合診療専門医に聞く◆Vol.5

インタビュー 2013年3月14日 (木)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――先生は、GPには、六つの専門性があるとしています。 第一は、総合診療医として、あらゆる問題に対応するのはもちろんですが、その見極めが専門性の一つです。ゲートオープナーと言うこともできます。「あなたの理想とする医療を、僕を通して実現させてください」というスタンスです。患者さんが考えていることやニーズに応じて、どこのゲートを開けるべきかを考える。例えば、落ち込んでいる時にはカウンセラーへの紹介が必要。高血圧など慢性疾患の管理はナースに依頼する。ホームレスで仕事がない人はソーシャルワーカーやジョブセンターに紹介する。日本で考えるよりも医療の幅は広いと思います。 澤憲明氏が勤務する診療所の診療室。澤氏は、「英国のGPはゲートオープナーであり、6つの専門性がある」と言う。 日本の大学病院の外来では、何時間も待つことが多いかもしれません。イギリスではゲートオープナーであるGPがいて、患者のニーズや希望に応じてこちらが医療機関、予約時間、移送方法などを手配します。患者、特に高齢者の身体的、精神的負担は少ないと思います。 ――ゲートオープナーという言葉が印象的です。患者さんはどこに行ったら分からな...