過度の「医療化」を阻み、患者の自立を促進- 澤憲明・英国総合診療専門医に聞く◆Vol.6
インタビュー
2013年3月21日 (木)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――5番目の専門性が、「総合診療医は、最新のエビデンスに基づき、コストパフォーマンスに優れた医療を提供します」です。先生方は日ごろどんなガイドラインを参照されているのでしょうか。 NICEのガイドラインもいいですが、プライマリ・ケアに特化した「NHS Clinical Knowledge Summaries: CKS」もGPには人気があります。これもNICEが制作、出版していて、誰でも無料でアクセスできます。専門医資格を取るための筆記試験や臨床試験では、最新のガイドラインに沿っていないと、減点の対象になります。このようなガイドラインは、全診療領域をカバーしており、最新のエビデンスに基づき、さまざまな推奨を行っています。参照すべきエビデンスがあるのは、イギリスの強みだと思います。 澤憲明氏は、近年における世界的潮流は「病院から地域へ、治療から予防、健康維持・増進へ、医療単独からチームケアへ」といったプライマリ・ケアシステムへの移行だと言う。イギリスにはイギリス独自の仕組みがあるように、日本も日本独自の道を模索すべきだと主張している。 ――6番目の専門性は、『患者を「人」としてバランス良く...
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