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「宿直扱いは違法」は当然の判決 - 藤本卓司・弁護士に聞く

インタビュー 2013年2月23日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

「医療界と法曹界の反応は全く違う」。こう語るのは、奈良県立奈良病院の2人の産婦人科医が未払いだった「時間外・休日労働に対する割増賃金」(時間外手当)の支払を求め、奈良県を訴えた裁判で代理人弁護士を務めた藤本卓司氏。最高裁は2月12日、県と原告双方の上告受理申し立てを不受理と決定、医師の宿日直が時間外勤務であるとし、割増賃金の一部支払いを命じた大阪高裁判決が確定した(『「宿直扱い」違法、最高裁不受理で確定』を参照)。法曹界では「当然の判決」とされる一方、医療界では「これまでの常識を覆す判決」と受け止められること自体に問題があると藤本氏は見る。 今回は2004年分と2005年分の未払いに関する裁判だったが、2006年分以降についても「奈良県が態度を改めない限り、提訴を続ける」と語る藤本氏に裁判の経過や医療界への影響などをお聞きした(2013年2月22日にインタビュー)。 ――2006年12月に提訴された当初は、今回の結果は予想されていたのでしょうか。 「割増賃金を支払わなくても済むような、職場環境にしてほしい、という強い思いから提訴した」と語り、労働環境の改善が目的であると説明する藤本卓司...