1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「将来の日本」で成り立たない小児科、産科 - 石原開・南相馬市医師会会長に聞く

「将来の日本」で成り立たない小児科、産科 - 石原開・南相馬市医師会会長に聞く

スペシャル企画 2013年3月11日 (月)  聞き手・まとめ:池田宏之(m3.com編集部)

福島第一原発の事故の影響が続く南相馬市。看護師不足や高齢化で、「日本の将来の縮図」とも言われる中、地域の医師は少しずつ医療体制を整えようと努力を続けている。東日本大震災から約2年が経過した南相馬市の現状を、内科の開業医として診療を続ける南相馬市医師会長の石原開氏に聞いた(2013年2月26日にインタビュー)。 仮設住宅では、閉じこもりやDVが問題になり精神的なケアの必要性を指摘する南相馬市医師会会長の石原開氏。 ――現在の人口はどれくらいですか。 震災前の7万1000人から、現在5万人弱で、少しずつ戻っていますが、高齢者が多いです。高齢化率は、震災前の28%から32%程度に上昇しました。人口の3分の1が高齢者で、「日本の将来の縮図」と言われます。現在の状況が続くと、生産人口は増えず先細りの社会になります。当初、「2年もすれば、みんな戻ってくる」と思っていましたが、戻りませんでした。 ――南相馬の医療の現状を教えてください。 南相馬市は鹿島区、原町区、小高区の3つから成っています。小高区は、福島第1原発から20キロ圏内で警戒区域のままで、病医院は震災前9施設あったのがゼロになり、原町区は...