総合診療医は家庭医療専門医と別物 - 丸山泉・日本プライマリ・ケア連合学会理事長に聞く◆Vol.1
インタビュー
2013年4月5日 (金)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」の報告書がこのほどまとまり、「総合診療医」が基本領域の専門医として位置付けられる方針が決定した。「総合診療医」の専門医制度化は長年の懸案事項だっただけに、関係者の注目は高い。その要件や研修プログラムは、専門医の認定などを行うために新たに設置される第三者機関で今後、議論されることになる。その際の中心的役割を担うのが、日本プライマリ・ケア連合学会だ。同学会理事長を務める丸山泉氏に、「総合診療医」の考え方や担うべき役割、今後の検討の見通しなどについてお聞きした。話は、専門医全般の在り方や医学教育などまで幅広く及んだ(2013年3月22日にインタビュー。計3回の連載)。 ――総合診療医については、これまで繰り返し議論されてきました。今回、基本領域の専門医として位置付ける方針が決まった要因、背景をどうお考えでしょうか。 第一に、大きなトレンドとしては、戦後、ある時期から医療が非常に高度化してきたことが挙げられます。我々はその恩恵を享受してきた。しかし、「何かが足りない」と感じていたのも事実です。私どもの学会の前身の一つ、日本プライマリ・ケア学会が設立さ...
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