「医学部新設で医療崩壊は決定的に」、中川副会長
スペシャル企画
2013年4月1日 (月)
橋本佳子(m3.com編集長)
日本医師会副会長の中川俊男氏は、3月31日の第128回日本医師会定例代議員会で、「医師の絶対数の確保には、一定のメドが立っている」との見解を示した上で、「自民党の『東北地方に医学部の新設を推進する議員議連』が医学部施設の動きを加速している。しかし、東日本大震災の被災地である東北3県、特に沿岸部では地域医療の確保が極めて厳しい状況。医学部新設によって医師が教員として引き抜かれることになれば、医療再建どころか、地域の医師不足がさらに深刻化して、地域医療の崩壊が決定的になる」と強調、改めて医学部新設に反対する姿勢を示した。 その上で中川氏は、「東北地方は、東日本大震災以前から、医師不足が顕著だった。他の地域でも、医師の偏在による医師不足が深刻化している。まず被災地から、そして日本の地域医療の全体の問題として、直ちにできることからやっていくべき。それは、医師不足の不安を持つ地域の住民が理解し、『これで医師不足が解決できる』と納得できるものでなくてはならない」と強調。 日本医師会副会長の中川俊男氏は、「被災地の医療現場からこれだけ反対の声が上がっているのに、なぜ医学部を新設しようとする動きが止ま...
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