専門医への報酬、現時点では想定せず - 高久史麿・日本医学会会長に聞く◆Vol.3
インタビュー
2013年4月24日 (水)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――国民にとっては、広い裾野を持つ専門医の養成はメリットになりますが、一方で専門医を取得するドクターのメリットが見えにくいという意見もあります。専門医を取得した医師に、報酬などを設ける発想はあるのでしょうか。 新しい制度により、総合診療医を目指す医師にとっては、専門医取得というキャリアパスができたことは大きい。 高久史麿氏は、専門医制度と並行して、初期臨床研修の見直しも進むと見ており、「どの基本領域の専門医を目指すかによって、初期研修の選択が変わってくるだろう」と語る。 ――プライマリ・ケア関連の学会、勉強会に行くと、非常に皆さんが熱心です。 各大学で「地域枠」を作っていますが、地方の病院に臨床実習に行ってもらうと、医学生はフレッシュな印象を持って帰ってくるようです。しかし、今までは専門医の資格がなかった。総合診療に興味を持っていても、最終的には、(臓器別の)専門医の資格を取る道を選択していました。したがって、総合診療医を目指す医学生にとっては、今回の制度見直しにはメリットがあります。 しかし、それ以外の医師にとっては、直接的なメリットはそれほどないでしょう。専門医を取得したからと言っ...
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