本を書いたのは“希望”があるから - 村上智彦・医療法人ささえる医療研究所理事長◆Vol.2
インタビュー
2013年5月15日 (水)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――医療は目的ではない、ということですね。 医療者に目的を求めるのは無理、と僕は言っている。だから、他の職種とつながるべきだと主張しているのです。普通に話したり、買い物したり、おいしいものを食べたり、畑仕事をやったり、そのために働くというのが、僕の考える価値観。こうしたことをやっていると、年配の方たちは、案外うれしい。その機会を作るのは、医療や福祉じゃ無理。農家の人やパチンコ屋さんにお願いしたり……。こうした人が協力してくれると、それは産業、街おこしになる。 「日本には潜在力が十分にある。僕は希望を持っている。だからこの本を書いたのです」(村上智彦氏)。 ――街おこしには、人やお金の循環が必要。 はい。高齢者は、「介護保険にお金を使うのはもったいない」と言いますが、僕は、「使ってくれ」と言う。「あなたの子どもや孫が田舎に帰ってきてくれるよ」「あなたたちが使わないから、若い人の雇用が生まれないんだよ。『もったいない』じゃない。使うものだよ」と言う。「お互いさま」というのは、そうしたものでしょう。 そのことを皆が口にすればいい。キーワードは、「地域を守るため」。「この地域が将来残っていてほ...
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