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医療安全に「喧嘩の構図」を持ち込むな - 有賀徹・昭和大学病院長に聞く

インタビュー 2013年6月5日 (水)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

厚生労働省の「医療事故に係る調査の仕組み等に関する検討部会」は5月31日、議論の「とりまとめ」を公表した(『院内調査、「外部の医療者の支援」が原則』を参照)。長年の“医療事故調”議論が一つの節目を迎えたが、同検討部会の構成員で、全国医学部長病院長会議の「大学病院の医療事故対策委員会」の委員長も務める、昭和大学病院長の有賀徹氏は、「とりまとめ」には、問題点があり、今後さらなる議論の必要性を指摘する。有賀氏に、医療事故調査に関する基本的考えや「とりまとめ」の問題点などをお聞きした(2013年6月4日にインタビュー)。 ――先生は5月29日の会議後、「全く納得していない」と言われています(『予期せぬ死亡事例、全医療機関に届出義務』を参照)。 有賀徹氏は、「WHOドラフトガイドラインでは、1つの制度に2つの機能を持たせるのは難しいとされている」と強調する。 まず僕がメディアの取材を受ける際に説明する、医療安全や医療事故調査に関する基本的なことをお話しましょう。第一に、医療は不確実であること。「過失」がなくても重大な合併症や偶発症は起こり得ます。だから医療者には「備え」が求められ、患者さんへの説...