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外科医減少の危惧、現実に

オピニオン 2013年6月6日 (木)  水野靖大(マールクリニック横須賀院長)

近年、消化器や乳腺の疾患に対して待機手術を行ったり、外傷や急性腹症に対する緊急手術を行ったりする一般外科医の減少が指摘されています。このままでは産科のように社会問題化する懸念すらあります。 この傾向に歯止めをかけるために、現在様々な活動が行われています。2009年には若手外科医師を増やすために、NPO法人「日本から外科医がいなくなることを憂い行動する会」が発足し、医学生への教育、市民への広報、行政への働きかけを行っています。また、2010年には日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することにより外科の現状(医師の偏在など)を明らかにするためにNCD(National Clinical Database)が設立されました。今後、裏付けされたデータを基に外科医減少の対応策が打たれて行くことが期待されます。 しかし、現在までのところ、外科医不足に関して筆者が知る範囲においては学術雑誌に取り上げられた実証研究はありませんでした。そこで、筆者は山形大学の成松宏人准教授、東京大学医科学研究所の上昌広教授と共同で、日本における一般外科医師不足の動態を調査し、その結果が日本外科学会の英文雑誌Su...