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患者ニーズを全て満たすのは不可能 - 大島伸一・国立長寿医療究センター総長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2013年6月11日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――国民会議は2012年11月から議論を続けています。これまでお聞きした先生の医療に対する危機感は、どの程度、皆さんの間で共有されているのでしょうか。 その危機感が一番分かるのは医療人。医療人が声を上げないとダメで、国民会議に出席している医療人は、永井先生(編集部注:自治医科大学学長の永井良三先生)と私だけで、永井先生は良く分かっておられる。その他の委員では、メディア関係の方は医療の実態がよく分かっていると思います。それぞれの専門家の立場から言えることを言っていく必要がある。決して大げさな話ではなく、私には(皆保険が崩壊した際の姿が)見える。このように医療を現場で知っている者が、その実態について話せば、見えるかどうかは分かりませんが、想像は付くでしょう。 大島伸一氏は、医療費等のパイが限られている中で、「それぞれの患者が求めるものを全て満たしていくなど、当然できるはずはない」と強調する。 ――多くの医療者は現場で感じていることと思います。例えば、大学病院の入院患者も、10年前と今では患者の平均年齢が相当高齢化している。 平均年齢は、入院患者が73歳、外来患者が65歳くらいでしょう。 ―...