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フリーアクセス制限はタブーにあらず - 大島伸一・国立長寿医療研究センター総長に聞く◆Vol.4

インタビュー 2013年6月18日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――「医療」とは何か、医療の定義は何か、という話にもなってきます。 医療のレベルがあまり高くなかった時代は、「治す」ことがまだ難しい状況で、医学的な適応は、「治るか、治らないか」、「生命予後を良くするかどうか」、「QOLを高めるかどうか」などで判断された。 ところが、ゆとりが出てくると、「社会的入院」が出てきた。これはやや乱暴な言い方かもしれないけれど、「医学的な適応で入院しているのではない」と言っているのと同じでしょう。「社会的入院」とは、社会生活を営む上で障害がある場合に、いろいろな事情があり、自宅に戻るのは難しいから、入院していること。 大島伸一氏は、「フリーアクセスの制限など、タブーのように思われていたことを私が言っただけ」と語り、各自が気付いたことから動き始める必要性を指摘する。 今はそれだけではなく、先ほども終末期のところでお話しましたが、例えば、胃ろうを付けるか付けないか、人工栄養をどこまでやるかという話になると、価値感の違いによってものすごく違う。「医学的適応」あるいは「社会的適応」で考えられる入院だけでなく、人の価値観によって異なる「価値的な適応」、これら三つの入院が...